ラックマウントサーバーの運用で気になるのが消費電力。PowerEdge 1950の電源ユニットは670Wとなっており、最大で6.7A(670W÷100V)の設計になっていることがわかります。電源に余裕があれば6.7Aと計算しておけばOKということですが、通常は定格で見積もることはなく、台数が多くなってくると、ぎりぎりでの運用になりがちです。そこで目安となる一般の運用時のMAXと想定できる条件でクランプメーターを使って測定してみました。
よく使われるオプションのDRAC 5とPERC5/iを搭載した状態で、メモリ構成、負荷を変えて測定します。これらのオプションはそれなりの電源を消費するので、これらを装着していない場合は少し消費電力が下がります。
起動時、OS起動後に標準のデーモンなど以外はとくに何もしていないとき(定常時)、負荷をかけたときを測定しています。
電源OFF時(DRAC待機) | 0.16A |
状態 | メモリ2G | メモリ8G | メモリ16G |
起動時 | -3.01A | -3.53A | -4.01A |
定常時 | 2.26-2.28A | 2.67-2.69A | 3.06-3.07A |
ホットスペアなし | - | 2.50A | 2.90A |
stress -c 2 | 2.64-2.67A | 3.03-3.04A | 3.48-3.50A |
stress -c 4 | 2.94-2.96A | 3.39-3.40A | 3.73-3.76A |
stress -c 6 | 3.16-3.17A | 3.63-3.64A | 4.03-4.04A |
stress -c 8 | 3.53-3.54A | 3.90-3.91A | 4.29-4.31A |
stress -c 8 -d 2 | 3.52-3.53A | 3.89-3.93A | 4.31-4.36A |
stress -c 8 -m 8 | 3.32-3.44A | 3.89-3.91A | 4.43-4.48A |
stress -c 6 -i 4 -m 2 -d 1 | 3.48-3.54A | 4.01-4.03A | 4.49-4.52A |
クアッドコア×2の構成なので、「-c 8」でCPU(ユーザー)100%の負荷、「-c 4」で50%の負荷になります。「-d」オプションを付けた場合(ディスクに負荷をかけた場合)、若干CPU(ユーザー)負荷が落ち、「-c 8 -d 2」のオプションで97~99%のCPU負荷になっています。 起動時は、各機器のイニシャライズなどによって消費電力が大きく変わり、MAXの値を記載しています。
電源ユニットを2台装備し、両方に給電した場合、両方の電源ユニットが使われ、1つの電源ユニットに流れる電流は約半分になります。ここではクランプメーター1台で測定する都合上、片側のみに電源を接続し、測定しました。
消費電力は外気温に影響を受け、温度が高い場合、消費電力は上がります。測定時の筐体外室温は27℃でした。一般のホスティングサービスでは27℃より低い涼しいくらいの温度に空調されるのが通常なので、実際の運用ではここでの測定より少し低い値になるでしょう。
OSはCentOS 5.0を使い、CPUやメモリ、ハードディスクに負荷をかけるのには、UNIX(POSIX)系OSで簡単に使えるツールのstressを利用しました。stressは、Debian GNU/LinuxやBSD系OSではパッケージとして提供されていますが、CentOSでは提供されていないため、ソースからコンパイルして利用しています。
# tar zxvf stress-1.0.0.tar.gz # cd stress-1.0.0 # ./configure # make # make installstressはオプションで負荷プロセス数を指定するようになっており、たとえば、ユーザープロセスでのCPU負荷は「-c 8」、ディスクの負荷は「-d 2」のようにして指定します