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今月のプロジェクト

potm_50x50.gif 2008年11月 - AquaSKK

プロジェクトの概要

AquaSKKはMac OS X用のかな漢字変換プログラムです。多機能エディタGNU Emacsで動作する「SKK」の長所を継承し、シンプルで快適な日本語入力環境の提供を目指します。

プロジェクト管理者へのインタビュー

このソフトウェアはどんなソフトウェアですか?

Mac OS X用のSKK実装です。詳しくは本家 SKK をどうぞ。(諏訪)

このソフトウェアのターゲット・ユーザーは?

既にSKKが無くては生きられぬ身体になってしまった方々。(PHO)

SKKユーザーはもちろんですが、SKKを知らない初心者の方と、プロの物書きの人にも使ってみて欲しいですね。(諏訪)

SKKをMacに移植しようと考えたきっかけは? また、Aqua対応(Mac OS Xネイティブ)にしたのはなぜですか?

Mac OS 9から Mac OS Xに切り替えてからEmacsを本格的に使い始めたのですが、その時につい魔が差してSKKに手を出してしまいました。そうなるとEmacsの外でもSKKを使わざるを得ませんので、無いものは作るしかないのでした。(PHO)

このソフトウェアをどれくらいのユーザーが利用しているとお考えですか?

さあ…。100人くらい? 全く判りません。(PHO)

ダウンロード数は2,000を越えてますが、うーん、ざっと700人くらいじゃないでしょうか。(諏訪)

このプロジェクトで最も苦労している点は?

インプットメソッドはそれ自身が独立したプロセス上で動くものではなく、OSに寄生したり他のプロセスに寄生したりして動くものであるため、クラッシュさせたり無限ループさせたりした時のデバッグがとても大変でした。(PHO)

同感ですね。TSM版はホントに苦労しました。この点はIMK版になってかなり楽になっていますが、今度は内部の設計で悩む時間が増えました。(諏訪)

プロジェクトがうまく行っていると感じるのはどんなときですか?

TextEdit.appを立ち上げてテスト変換して、それが上手く変換できた時。開発中に使っていたテスト変換用の文は次のものでした。(PHO)

▽よげん

▼予言

予言を▽じっこう

予言を▼実行

予言を実行せよ


仕様変更や機能追加・改善がスムーズにできている時と、コンスタントにリリースできている時です。(諏訪)

このプロジェクトをやっていて最も驚いた出来事は?

私自身が使うのに必要な機能を全部実装し終えて、開発にすっかり飽きてしまった頃、なんとt-suwaさんからプロジェクト引継ぎのお申し出がありました。私がこれまでに作ったソフトで、開発停滞後に誰かが引き継いで下さったものは、AquaSKKが初めてでした。(PHO)

えーと、これは書いていいかどうかわからないので詳細は端折りますが、POBoxの増井さんからダイレクトメールを頂いた時です。びびりました。(諏訪)

どのような要望がユーザーからあがっていますか?

不具合の報告がメインで、さほど強い要望はないような気がしますが、忘れているだけかもしれません。(諏訪)

今後のプロジェクトの方向性は?

本家SKKとの互換性はあまり気にせず、Mac OS Xの特徴を生かした拡張をグイグイしていきたいです。(諏訪)

このソフトウェアあるいはプロジェクトについて誇れるところは?

Macで動くSKKとしてはこれが最初のものだったこと。今はMacUIMがありますが… (PHO)

C++のSTLや標準ライブラリを素直に使っているところですね。普通のC++だけでも十分いい仕事ができますよ、という実証になっていると思います。コードも単純なので、C++アレルギーのある人が読むと新鮮なのではないでしょうか。(諏訪)

このプロジェクトでどこかやり直せるとしたら、どこを変更したいですか?

候補ウィンドウの実装とか、コアの入力エンジン部分ですね。やり直せないわけではないので、そのうちリファクタリングをかける予定です。(諏訪)

あなたの本業は何ですか?

プログラマです。仕事では分量の多い順にPerlとCとErlangを使ってます。(PHO)

メディア系子会社で情報システムの開発をしてます。Excelで仕様書書いて、VBAマクロでカスタム属性を貼り付けたC#コードを吐き出して、実行時にリフレクションで読み取ってごにょごにょ、といった手抜き効率化に励んでいます。あとは、にわかフレームワーク作りです。(諏訪)

あなたの開発環境は?

GNU Emacs, gcc, gdb 他 (PHO)

ハードはMac Mini(Core Duo), iBook G4, HHK Lite2, Arc Mouse で、エディタはX11版Emacsです。そろそろ新調したいですね。(諏訪)

バージョン・ヒストリー:

私(諏訪)のわかる範囲で書いておきます。

  • 2005年5月:AquaSKKの開発が停滞していたため、諏訪がAquaSKK Patch Projectを始める
  • 2005年7月:開発拠点をSF.JPに移し、2.0リリース
  • 2006年4月:3.0 リリース(Intel Mac を正式サポート、複数辞書対応、トグル変換結果学習)
  • 2006年7月:3.1 リリース(数値変換サポート、デュアルディスプレイ対応)
  • 2006年12月:3.3 リリース(ユーザー辞書を UTF-8 化)
  • 2007年10月:3.5 リリース(トグル変換学習の改善)
  • 2008年1月:3.6 リリース(各種不具合修正と改善)

現在、Leopardで導入された InputMethodKitに対応したバージョンを開発中で、年内(2008年)のリリースを目指しています。

このプロジェクトに貢献するには?

皆さんからの愛のあるフィードバックがなによりも励みになります。コードを見て駄目出ししてくれるような怖い人も歓迎です。(諏訪)

SourceForge.jpへの要望をお聞かせください。

末永くサービスを継続してもらえると助かります。よろしくお願いします。(諏訪)

(取材日:2008年11月6日)


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