[JM:01035] Re: at-3.1.14リリース候補

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長南洋一 cyoic****@maple*****
2014年 8月 8日 (金) 20:54:08 JST


長南です。

もう一度、読み返してみたところ、気になる箇所いくつかがあったので、
書いておきます。数が少ないので、一つにまとめます。

最終的な判断をするのは、翻訳者ご自身です。ですから、わたしの試訳や
前の訳文にとらわれる必要はありません。ご自分でよいと思われる訳を
なさってください。

○ at.d:

> For both  at  and  batch, commands are read from standard input or the 
> file specified with the -f option and executed. ...

> at と batch は、ともに標準入力や -f オプションで指定されたファイルの
> コマンドを実行する。...

「や」がどこまでかかっているか、曖昧だと思います。

  (標準入力) や (-f オプションで指定されたファイルのコマンド)  
  (標準入力や -f オプション) で指定されたファイルのコマンド
  ((標準入力) や (-f オプションで指定されたファイル)) のコマンド

と、三通りの読み方ができます (三番目のつもりなのでしょうが)。read を
きちんと生かした方がよいのではないでしょうか。訳例をあげておきます。
以下の訳中の「(それを)」や「(、)」など、カッコで囲んだ部分は、あった方が
よいかどうか、わたしとしても迷っているところです。

    at と batch は両方とも、標準入力や、-f オプションで指定されたファイル
    からコマンドを読み込んで、(それを) 実行する。

    at と batch のどちらも、コマンドを(、)標準入力や -f オプションで
    指定されたファイルから読み込んで、実行する。

    at と batch のどちらも、コマンドを標準入力、または -f オプションで
    指定されたファイルから読み込んで、実行する。
    
    at と batch のどちらも、コマンドを標準入力から、あるいは -f オプション
    で指定されたファイルから読み込んで、実行する

    at と batch は、ともにコマンドを標準入力から読み込んで実行する。
    -f オプションで指定されたファイルから読み込んで実行することもできる。

一番目から三番目は、やはり曖昧ですね。四番目と五番目は、はちょっと
くどいかもしれません。

> If a job is submitted to a queue designated with an  uppercase  letter,
> the  job is treated as if it were submitted to batch at the time of the
> job. 

> 大文字のキューで予約されたジョブは、ジョブの実行時に batch で指定された
> かのように扱われる。

読み返してみて、やはり「batch で指定された」を「batch を使って指定した」
「ジョブが at ではなく、batch に渡された」の意味に使うのは、無理があると
思えてきました。ふと気がついたのですが、at.allow.5 のように、submit を
「登録する」と訳せば、いいんじゃないでしょうか。ご参考までに、いくつか
例をあげておきます。

    大文字のキューで予約されたジョブは、(at ではなく、) batch に対して
    (or batch で) 登録されたかのように、ジョブの実行時に扱われる。

    大文字のキューで (or キューに) 予約したジョブは、 batch に対して
    登録したかのように、ジョブの実行時に扱われる。

    ジョブを大文字のキューに登録する (or 割り当てる) と、そのジョブは、
    batch に対して登録したかのように、実行時に処理される。すなわち ... 
    適用されるわけである。

    ジョブに大文字のキューを割り当てると...

> -t time run the job at time, given in the format [[CC]YY]MMDDhhmm[.ss]

> -t time [[CC]YY]MMDDhhmm[.ss]    の形式で指定された日時にジョブを実行する。

日本語 man page の表示では、どこまでが項目名で、どこからがその説明か、
わかりにくいと思います。"at time" の time は英語のままにした方が
見やすいかもしれません。roff ソースだとこんな感じです。

.BI \-t " time"
.\"O run the job at
.\"O .IR time ,
.\"O given in the format [[CC]YY]MMDDhhmm[.ss]
[[CC]YY]MMDDhhmm[.ss] の形式で指定された
.I time
にジョブを実行する。

こうすると、man コマンドで表示したときに、こんなふうに、
[[CC]YY]MMDDhhmm[.ss] と「の」の間の空間が狭くなります。

  -t time [[CC]YY]MMDDhhmm[.ss] の形式で指定された time  にジョブを実行す
          る。

あるいは、

  -t time ジョブを [[CC]YY]MMDDhhmm[.ss] の形式で指定した日時に実行する。

というように、「ジョブを」を前に出した方が、オプションとその説明の
区別がはっきりするかもしれません。ついでに、説明が 1 行で済むように、
「指定された」を「指定した」に変えてみました。

> at  と batch の現在の実装は、ユーザーが資源を取り合っているような状況下
> では    適当なものではない。このような場合は他のbatchシステム、たとえば

batch の前後に空白がありません。

> AUTHOR
>       At was mostly written by Thomas Koenig, ig25****@rz*****.

> 著者
>       at はほぼ Thomas Koenig, ig25****@rz***** によって書かれた。

正しいけれども、ちょっと不自然な日本語という気がします。「at の大部分は
... 書かれた」とか、「at のほとんどの部分を書いたのは、... である」」とか
言うのが、より自然ではないでしょうか。この文は、atrun にも出てきます。

それから、「著者」は、「作者」のほうがふさわしいのではないでしょうか。

○ at.allow.5

> An empty /etc/at.deny means that every user may use at.

> 空の /etc/at.deny  があるときは、全てのユーザーが  at  を使うことができる。

試してみたのですが、/etc/at.deny が空ファイルであっても、/etc/at.allow 
が存在すると、at.allow に登録されていないユーザは at を使用できない
ようです。つまり、このパラグラフは、直前のパラグラフの但し書きのような
ものです。ですから、最初の訳の方が正しいと思います。ちょっと曖昧と言えば
曖昧ですが、原文も曖昧ですから、仕方がないでしょう。あるいは、「そこで、
つまり、従って」などを文頭に補えばよいのかもしれません。

ちょっと自信がないので、ご自分でも実験してみてください。

○ atd.8

> atd won't work if its spool  directory  is  mounted  via  NFS  even  if
> no_root_squash is set.

> スプールディレクトリが    NFS    経由でマウントされている場合は、たとえ
> no_root_squash を設定していても、 atd は (うまく) 動作しないだろう。

「うまく」を入れた方がよいかどうか判断できなかったので、カッコで
囲みました。もし、あった方がよいとお考えなら、カッコを外してください。
ちょっと分かりにくい書き方だったと反省しています。

-- 
長南洋一




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