長南洋一
cyoic****@maple*****
2012年 4月 22日 (日) 09:38:32 JST
長南です。続きです。 1) "Configuring ldap.conf" セクション、項目 URI の直前のパラグラフ Only those options explicitly listed in /etc/ldap.conf as being supported by sudo are honored. すなわち、/etc/ldap.conf に明示的に記載され、かつ sudo でサポートされて いるオプションのみが使用される。 sudo-1.7.2 では、原文はこうでした。 Only those options explicitly listed in /etc/ldap.conf that are supported by sudo are honored. 1.7.2 の "that are supported" が 1.8.4 では "as being supported" に 変わっています。意味的にはたいして違わないと思うのですが。 2) NETWORK_TIMEOUT は新規項目です。 An alias for BIND_TIMELIMIT for OpenLDAP compatibility. BIND_TIMELIMIT の別名。OpenLDAP との互換性のためにある。 「OpenLDAP の互換性」ではなく、「OpenLDAP との互換性」ですね。 ldap.conf(5) に設定オプション NETWORK_TIMEOUT は存在するが、 同じ意味で sudo が使っている BIND_TIMELIMIT は存在しないから、 ということではないかと思います。 「互換性のためにある」「互換のためにある」、どっちがよいですか。 # なお TLS_CACERT も新規項目で、"OpenLDAP compatibility" が # 出てきます。 3) TIMEOUT も新規項目です。 The TIMEOUT parameter specifies the amount of time, in seconds, to wait for a response from the various LDAP APIs. TIMEOUT パラメータは、 様々な LDAP API から応答が返ってくるときの待 ち時間を秒数で指定する。 内容がわからないまま、訳しています。「様々な LDAP API から応答が 返ってくるときの待ち時間」「様々な LDAP API から応答が返ってくる までの待ち時間」、どちらがよいですか。 4) SUDOERS_SEARCH_FILTER も新規です。 これもよくわからないまま、訳しています。実例があるとよいのですが。 5) SUDOERS_TIMED も新規です。 「日時制限のあるの 」は、「の」が余計でした。直しておきます。 6) TLS_CHECKPEER は、今回かなり増補されています。原文に変更のない部分も すこし訳し直しました。 If enabled, TLS_CHECKPEER will cause the LDAP server's TLS certificated to be verified. TLS_CHECKPEER が有効になっていると、LDAP サーバの TLS 証明書が正当 かどうかチェックが行われる。 # "the LDAP server's TLS certificated" は certificate でしょうね。 verified は、前は「TLS 証明書が有効」と訳していましたが、今度は 「TLS 証明書が正当」としました。どちらがよいでしょうか。それとも、 別のよい訳語があるでしょうか。 ... Note that disabling the check creates an opportunity for man-in-the-middle attacks since the server's identity will not be authenticated. ... 気をつけてほしいが、このチェックをやらないことにすると、 サーバーの身元確認を行わないので、man-in-the-middle アタックの 可能性が生じる。 "man-in-the-middle attacks" は「中間者攻撃」の方がよいですか。 7) DEREF も新規項目です。 How alias dereferencing is to be performed when searching. See the ldap.conf(5) manual for a full description of this option. 検索を行うときに、alias の参照をどうするかを指定する。このオプショ ンについての詳しい説明は、ldap.conf(5) のマニュアルにある。 dereference という言葉がわたしにはよくわかりません。「逆参照」なんて 訳を見かけますが、find の manpage の使い方をみると、「参照をたどる」 という意味にしか思えないのです。二個所ほど例を上げます (man find の -P, -L, -H オプションの説明)。 When the -H or -L options are in effect, any symbolic links listed as the argument of -newer will be dereferenced, and the timestamp will be taken from the file to which the symbolic link points. (that is, if -L is not used but -follow is, any symbolic links appearing after -follow on the command line will be dereferenced, and those before it will not) ですから、dereference の de- は un とか reversal (たとえば decentralize) の意味ではなく、down (descend) か completely (denude) の意味ではないか と思います。つまり、reference を強調しているだけではないのか、と。 Google で "English dictionary dereferece" をキーワードに検索したら、 こんなのが出てきました。 COD らしい: Computing obtain the address of a data item held in another location from (a pointer). Computing Dictionary: programming To access the thing to which a pointer points, i.e. to follow the pointer. E.g. in C, the declarations int i; int *p = &i; declare i as an integer and p as a pointer to integer. p is initialised to point at i ("&i" is the address of i - the inverse of "*"). The expression *p dereferences p to yield i as an lvalue, i.e. something which can appear either on the left of an assignment or anywhere an integer expression is valid. (以下省略) "The expression *p dereferences p to yield i as an lvalue" というのは、 何だか間接参照の説明みたいな。 大体、以上です。 -- 長南洋一