AIDA Shinra
shinr****@j10n*****
2003年 12月 12日 (金) 20:59:55 JST
相田です。 大変遅くなりましたが、Canna 3.7をリリースしました。 http://prdownloads.sourceforge.jp/canna/7240/Canna37.tar.bz2 からダウンロードできます。主な変更点は次の通りです。 1.1 重要な変更点 ・サーバのセキュリティーホールを修正しました。 ・デフォルトのディレクトリ構成が変わりました。特にパッケージを作成する場合には 注意してください。 ・バイナリ辞書の形式が変わりました。以前の形式の辞書もマウントできますが、 新しく作った辞書は古いサーバではマウントできません。なお、mkbindicに-c 3.0 というオプションを与えると、3.5/3.6でも(3.2でも?)マウントできる辞書を 生成できます。 ・共有ライブラリのバージョンが全てのプラットフォームで1.2になりました。 バイナリ互換性は保たれていますが、プラットフォームによってはファイル名が 変わったために動的リンクに失敗することがあります。その場合はシンボリック リンクを張ってください。 ・canuumが補助ライブラリlibsptを利用するようになりました。 http://www.j10n.org/libspt/ からダウンロードできます。詳しくは、canuum/README.jpを参照してください。 ・クライアントから不正なリクエストを送られると、バッファオーバーフローを 起こしたり、内部情報が漏れたりするというセキュリティ問題を修正しました。 1.2 設定、カスタマイズに関する変更 ・ローマ字仮名変換やユーザーインターフェースに関係ない、サーバとの接続に 関する設定を独立して行うため、rkc.confという新しい設定ファイルを導入 しました。詳しい構文などはRKCCONF.jpで説明しています。 ・(setq chikuji-continue nil)としておかないと(setq renbun-continue nil) が効かない問題を修正しました。renbun-continueのデフォルト値はnilでしたが、 tであるかのように動作していたため、この修正に伴いrenbun-continueのデフォルト 値をtに改めました。 ・サンプルファイルの構成が変化しました。 1.3 ユーザーインターフェース、ローマ字仮名変換に関する変更 ・カナ変換時の自動登録が使えるようになりました。verbose.cannaにあるように、 use-dictionaryで:katakana "your-dictionary"のように設定することでこの機能を 有効に出来ます。 ・character-based-moveがtに設定されていると、単語登録の際に単語の編集がうまく 出来ない問題を修正しました。 ・「ん」を「n'」で入力できない問題を修正しました。 ・単語登録の品詞メニューで「その他」を選んだ時に不正な動作をする問題を修正 しました。 ・TTY ベースのアプリケーションや emacs で、カーソルキーやファンクションキー を正常に入力できない不具合を修正しました。 ・字種変換、部分確定の際に誤った学習が行われる問題を修正しました。 ・サーバと通信する際、一定時間に返答が戻って来ないときは通信を中止するように しました。詳しくはRKCCONF.jpを参照してください。 1.4 仮名漢字変換に関する変更 ・辞書に様々な改良を加えました。 ・3.6p1で逐次入力とcpdicコマンドが動かなくなったので、修正しました。 ・mkbindicで同じ読みの単語同士の優先順位を変えないようにしました。 ・「化って」のような誤変換を起こりにくくしました。 ・バイナリ辞書をmakeし直しても、辞書の内容に変化が無ければ、以前の学習データ をそのまま利用できるようにしました。ただしDIC_3_6_COMPATや-c 3.0を使って 旧形式の辞書とした場合は、この機能は利用できません。 1.5 APIに関する変更 ・ワイドキャラクタAPIを変更しました。現在のところ、コンパイル時に無効にしない 限り、古いAPIも利用できますが、できるだけ新しいAPIを利用してください。 新しいAPIを利用する場合、jrkanji.hをインクルードする時に、 #define CANNA_WCHAR16 /* もし必要なら */ #define CANNA_NEW_WCHAR_AWARE #include <canna/jrkanji.h> としてください。なお、ワイドキャラクタのAPIを使うと厄介なコード変換が必要 となるため、新しくクライアントを作るときは、EUCのAPIを利用することを推奨 します。 ・EUC版のKC_LISTCALLBACKを用意しました。第3引数にはjrEUCListCallbackStruct へのポインタを渡してください。また、機能テスト用に、CANNA_EUC_LISTCALLBACK というマクロを定義しました。 1.6 その他 ・実験的な64ビットサポートを追加しました。CCやCCOPTIONSを適切に設定して、64 ビット用のコンパイラを呼び出すようにすると、64ビットで動作する実行ファイルが 作られるはずです。 ・Canna 1.x時代のEUCプロトコルのサポートを止めました。 ・sample/*とcmd/crrdic/*を削除しました。いずれも以前から通常のインストールでは コンパイルされていなかった古いプログラムです。 ・ドキュメントを修正しました。特に、doc/man/guide以下のTeXドキュメントを大 幅に更新し、LaTeX2eに対応させた他、古い記述を修正しました。 ・その他、さまざまな潜在的な問題を修正しました。 1.7 Canna 3.7b1からの変更点 ・辞書にいくつかの修正を加えました。 ・jrkanji.hにCANNA_JR_BEEP_FUNC_DECLAREDというマクロを追加しました。 (以上) なお、いくつかのソフトについて、新APIに対応させるパッチを作りました。 http://canna.sourceforge.jp/canna37patches/ からダウンロードできます。